そんなことより誰か、私のコーヒーを飲む時の肘から持ちあげてしまう癖を治してくれ

マスクの隙間から漏れる息が

 

睫毛を揺らしてくすぐったい。

 

目がくしゃみをしそうだ。

 

 困ったことに、目からくしゃみをする方法を

 

私は知らない。

 

あの馴染み深い消化不良に苦しむ。

 

 

 

昼の月も全く厭なものだ。

 

どいつもこいつも、綺麗だの抒情的だの

 

囃し立てていやがるから、

 

ただでさえ青白い空に一際純粋な白色で張り付いている。

 

そこでそうしていられるのは今のうちだぞ、

今に見てろ。

 

ビル群の隙間に堕ちていきそうな月を見るのは好きだ。

 

ほれ見たことか。

 

太陽もそうだが、奴らと言うものは死にかけの時こそ、

 

存在を誇張し、たくさん光を放って輝く。

 

ザマアミロ。

 

少しだけその中に、切実な悍ましさを感じる。

 

その時初めて、美しい、と思う。

 

 

あいつのとこでいくと、

 

心から笑っている時の顔よりも、

 

心から怒っている時の顔の方が

 

私には美しく映る。

 

いいぞ、もっとやれ、と

 

どこかで見てる何かを煽る。

 

 

私は、私の一番美しい顔を

自分では見られないんだな、と思うと、

切ない。

 

 

消化不良が続いている。

今度は鼻がくしゃみをしそうだ。

 

誰か、隣で「はくしゅん」っていってくれないかなあ。