110円の温もり

昨日の自分に託された、クソみたいな朝が始まった。

 

親父からの電話だ。夢の中で浮気していた父だ。

普通に真面目な父親だ。

 

看護師の管理職をやっている父親は、

(なんかこの間聞いた時は今訪問看護で忙しいとか聞いたけどよく知らない。)

私の目覚ましがわりの電話のすぐ後、夜勤明けの疲れた顔で帰ってきた。

 

こんな私でも、起きたときにカーテンを開ける瞬間は好きだ。

ストレリチアは寒さに弱く、寝るときには場所を移すのだが、

今は、デルフィニウムとかすみ草が夜な夜なカーテンの奥で愛し合っている。

ちくしょう、羨ましい奴め。

 

あたかも包容力のあるような、高い陽の光に照らされて、

花たちがおはよう、と言ってくる。

訳が無い。さすがにそこまでメルヘンな思想を持ち合わせていないが、

今日は花たちが元気なように見えて憎らしい。

花瓶の水を替え、電気ストーブに火(電気による熱源)をつけ、

一本タバコを吸った。

 

父親が仕事帰りにマクドナルドに寄って、

昼飯を買ってきたらしい。

こたつに火(電気による熱源)をつけ、

ビッグなマックを片手に、

ちいさなMacで『百円の恋』を観ていた。

好きな映画だが、なんだか今日は刺さらんかった。

 

好きな人とのセックス、いいなあ、ともの書きらしからぬ感想。

大いなる解釈違いを終えて、主題歌が流れる。

 

クリープハイプは曲によっては好きだ。

『百八円の恋』は割と好きだ。

昔の心情とはやけにフィットした歌詞だったと思う。

百円の恋に八円の愛。上手いこと言ったつもりか。

そういやあの頃は八円だったか。安いんだか高いんだか。

今日は尾崎世界観のあの、ほっそい喉をギュッと絞ったような

がなり声がやけに耳障りでエンドロール前に視聴をやめた。

 

 

今日は、昨日読んだ中原中也が鬱陶しい。

天気がいい。天気がいい日は気分が悪い。

だから、陽が落ちる頃を狙って出かける。

このご時世、喫茶店の店内も冷える。

すぐにお代わりを頼みたくなるね。

 

 

そういや、パソコンを開く前は、

「一杯、どうですか」なんて洒落たタイトルの文を書くつもりだったのを今思い出したけど、安藤サクラ尾崎世界観に邪魔された。

ブログタイトルに関しては急に出てきた尾崎豊に邪魔された。二十三の夜。

 

もっと詩的な文を書かせろちくしょう。