私は逃げている。
複数の追手から逃げている。
今はトンネルの中。
だが何故か、トンネルを抜けた途端、追っては消え失せて、私も追手を忘れる。
いつも思うことがある。
くるならサシで来いよ!
そしたら私もちゃんとファイトポーズを取れるのに。
だが奴らは絶対に一人ではこない。
トンネルは暗くて、追手の姿はよく見えない。
足音から察するに、4、いや、5か?
わからない。
日々はトンネルの連続。
ありがたいことにここは地下ではないらしい。
トンネルから出た時に、自分が相手しているものの姿を掴むことができたらいいのに、と思うが今のところそれはできていない。
だから私は外では陽の光で花を育てて、
トンネルの中では追手から逃げながら、
こっそり花を押している。
そう、
押し花を始めた。
素人押し花だ。
花を少しだけちょん切って、花弁を紙に包んで重しで圧する。
失敗することもあるらしい。
たまたま、かなり昔のジャンプSQと、もうだいぶ前に廃刊になった赤マルジャンプがあり、重しに使った。
だからデルフィニウムが綺麗なうちに完成させたい。
基本的に一週間はかかるらしい。
一週間かあ。一週間と言う時間の流れに思いを馳せる。
今の私にとっては一週間って遠い未来のようで、なのに気づいたら終わってしまっている。
どうなってんだろうなあ、と、不安九割、期待一割。
期待は押し花と一緒に圧されて待っている。
綺麗にできたらここに写真を載せようと思います。