日曜の朝食が好き。
今日は出かけるぞ、と意気込んで、朝の7時に起きて、
ベッドの上で体調を整えて、8時半には花瓶の水を替え、
ストレリチアも土が乾いていたから水をやった。
買った当初の写真と比べると、
冬だというのにこいつも少しずつ大きくなっているんだと実感する。
デルフィニウムは蕾だった奴らが新しく色素の薄い花を咲かせ始めている。
人間と違って奴らはすごい。
私のを全部持ってかれてんのと違うんか、
と西の口調で驚いてしまうほどだ。
歯磨きを終え、着替えた後にコーヒーを淹れて、
活動できていることに満足感を得た頃には
朝食が出来上がっていた。
そうそう、私は日曜の朝食が好きなのだ。
私の実家の日曜の朝食は、
父親がソーセージを焼き、ホットサンドを作る。
恐らく、以前からそうであったのだろうが、
仕事を辞めてからはその朝食に私も参加している。
こたつ、コーヒー、朝食、大好きな『ONE PIECE』を観る。
私の日曜日。
やはり、今の日曜日は抗うつ薬だの、安定剤だの、
そんなの関係なしに暖かい気持ちで朝を迎えられている気がする。
私は報道番組のガワを被ったワイドショウなるものが大の嫌いなので、
『ONE PIECE』が終わるとCS放送の音楽チャンネルに替えた。
ここ最近、メジャーデビューを発表した、頑張っている私の大好きな友達のバンドのMVが、
CS放送の音楽チャンネルでパワープッシュとして放映されているらしいのだが、
なかなか目にかけることができない。早く観たい。
カラオケランキングにあーでもないこーでもないイチャモンをつけながら、
出かける支度をした。
家を出て、一駅隣の街の、アンティークの雑貨屋に足を運んだ。
散歩を兼ねていたので徒歩で向かった。
まず目に入ったのはギターだったのだが、
私の不勉強なのか、メーカーすらわからない代物で、
状態もひどいもので、恐らく弦も数年単位で交換されていないものだったので、
チューニングもおっかなびっくりに慎重にしながら試奏させてもらったのだが…
うん、次。
ガラスケースの中は昭和レトロのものが多く、
値段もピンキリで、ものによっては０の数に4つほどの差があった。
私はやはり、ライターに目がいってしまう。
やはりZippoのライターがほとんどであった。
そのほとんどはアニメのキャラなどが刻印されているものであって、
たまたまそのキャラが守備範囲の外にあったので、
特段欲は唆られなかった。
しかし、その外れにいかにも年季の入った、
東京タワーの絵が印字されたライターが目に入り、
それを触らせてもらったところ、
もうその瞬間に心を奪われた。
値札が付いておらず、おじさんに確認したところ、
「これは多分結構レアだよね。1,800円でどう？」
即決。私は自分の身分と経済状況を脳の奥底に閉じ込めた。
それまでは良かったのだが、
もう一つ目に留まった品が、マグカップだ。
柄をとても気に入り、見た瞬間にピンと来てしまい、
ライターとマグを両手にレジへ向かった。
しかし、私はなぜこのマグを買ってしまったのか。
価格は500円でノーブランド。財布にはあまり打撃のない品ではあったのだが、
いかんせん、私自身が使うには似合わなさすぎる。
何を考えてこれを迎えてしまったのか。
その理由を考えるとほとほと呆れる。
はてな、どうしたものか。
