よるのおと

今日は夜の音が聞こえる。

 

月が例の如く光っている。

 

夜の音は、

 

サティのように純粋な寂寥も、

 

ドビュッシーのように綺麗な夢も見せてくれるわけでもなく、

 

夜のどこへ逃げても私を完全な孤独へは導いてくれない。

 

どおぅ、どおぅ、

 

決して近くで鳴っているはずのないその音が聞こえるから、

 

この夜の向こう側を想像してしまう。

 

一人でないからこそ、より独り。

 

これに似てる。

 

どおぅ、どおぅ、

 

今日は静寂がうるさい。

 

私は寂しい。