雨。
冬。
浮世に蔓延るしょうもない俗物ポエマーが喧しく鳴き散らかす要素が詰まった日。
恥ずかしながらも、例に漏れず私もその一人だ。
ッポ、ッポ。
今日は午前中から出かける予定があった。
目が覚め、体を起こしたのは13時。
外は小雨。私は中途半端な小雨がとても嫌いだ。
大雨は好きだ。雷なんて鳴っていたらもう最高。
窓はおろか、壁を叩くほどの大きな雨の音が、
ちっぽけな鼓膜の振動を占領する。
他の音の一切をシャットダウンし、
空間まるごとが雨の音に包まれる。
こんな時、私は私の持て余した孤独を、
如何ともしがたいもの、争い難きものとして、
孤独であることに納得、仕方ないね、と少しだけ肯定的になることができる。
雨の音は孤独を心地よく肯定してくれる。
が、今日の雨はそれに値しないほど弱いものだった。
目を覚ましたのも昼過ぎ。
友人たちは午後の業務に勤しんでいるような時間だろう。
尚のこと孤独感。
少し間が空いてしまったが、
精神科に受診した。
この期に及んで薬が二つ増えた。
主治医に薬の相談をしたところ、
一つは効きが強いものが増え、睡眠を改善する薬はものが変わった。
服用する薬が増えてしまった。
縋るものの代償が増えていくような感覚を覚えた。
今日の雨は、不安も孤独も何も包んではくれない。
傘は差さずに帰ろう。
雨の日はポエマーが煩い。